【書評】サウナ・銭湯入門書籍 2016年

はじめに

もはや2月ですが、2016年の読書生活を振り返ると、思ったより仕事と直接関係のない書籍を読んでいました。その中でもサウナ・銭湯の本が3冊もありました。
それらをきっかけとして筆者は2016年からサウナと銭湯にはまっており、平日はそわそわしながら退社しては、銭湯マップ東京 - AtoZ Labを引っ提げては新しいサウナ・銭湯を開拓してまいりました。

なぜサウナ・銭湯を目指すのか

頭がぱぁ〜っと開けます。合法で。
体はというとパソコン仕事でかちこちになった首や外回りでパンパンになったふくらはぎをほどくことができます。

前置きはおいておいて、きっかけとなった書籍を(さっき覚えたスライドショー形式のリンクにて)ご紹介していきたいと思います。

サ道

大本命です。
はじめは「蒸し暑い」「不快」「拷問」とサウナを否定していタナカカツキ氏がサウナを体験することでみるみると整っていく様子が生々しく語られている。
セッション中の先人たちの会話、整う際の例のサイケデリックな見開きページ、ブッダの世界に通ずる空想の世界観、どれをとってもちょうどよい語り口です。
「サ道」つまり道を広める経典たるに相応しい。

ふらっと朝湯酒

「孤独のグルメ」で知らぬ人はいなくなった泉昌之の片割れ、久住昌之氏による「朝湯」x「酒」という新感覚エッセイ。主に東京の名銭湯が酒とセットでどう味わえるのかが具体的に紹介されており孤独のグルメを読まれた方であれば容易に想像できるであろう筆者の細部に渡る強いこだわりが見事に作者の主観を通して語られている。
自分にとっての幸福がどの程度の規模なのかをきちんと把握されている方にしか書けない文章である。
すみません。まだ紹介されている十軒のうち、1つしか足を運べていません。

ちゃっかり温泉

同じく久住氏の著書であるが、こちらは「平日の真っ昼間」x「ひとり飯」という切り口。一話目のダンスのエピソードや七話目の異国人の話など、引き込まれてしまう。こんな異次元のような場所、あるかもな。と妙に納得してしまうのだ。

思えば銭湯の休憩所もそんな異次元のようなあわいに存在する場所だ。飲食もできるけど飲食店ではない。銭湯にあるけど、湯はもうない。

さいごに

タナカカツキ氏がサウナ愛好家の濡れ頭巾ちゃんにインタビューした際に出た至言を引用して結びに代えたい。

もし仮に僕がサウナのない世界に行ったとして、サウナという存在自体は知っているとしたら、そのサウナの思い出だけで「整う」ことができる。サウナのことを考えるだけでもうイケますね(笑)。

もしもサウナがなくなったらどうしますか?